元請ラボ 地域集客実態調査 全国版
全国の外壁塗装13,656社を調べて、
対応エリアを“自分の市だけ”しか書いていない会社は
47都道府県・全数調査 | motoukelabo.com
全国の外壁塗装13,656社を調査 ─ 対応エリアを自分の市しか書いていない会社が、全国で40%だった
その差は、距離でも人口でもなく“書いてあるかどうか”だった。
2026年7月、全国47都道府県の外壁塗装会社13,656社を調べ、自社サイトで対応エリアを確認できた7,497社について、書いている市の数を数えた。40%が、自分の市ひとつしか書いていなかった。しかも同じ市に店を構える会社どうしでも、対応エリアを一つも書かない会社から数十市を書く会社まで開いていた。距離や人口ではなく、書いてあるかどうかで差がついていた。
調査対象:全国47都道府県・13,656社実施:2026年7月手法:全数調査+機械診断
塗り替えは、外壁が傷んでから考えるもの——多くの人が、そう思っている。だが、傷みは塗るずっと前から、静かに始まっている。前もって手を打てた家と、そうでない家。その差は、ある日突然あらわれるわけではない。
同じことが、塗装会社の「見つけられ方」にも起きていた。良い仕事をしている。お客さんにも喜ばれている。なのに、次の一件がなかなか増えない。その理由は、腕ではなかった。私たちは以前、茨城県の1県だけでこの実態を調べ、その偏りに驚いた。では、それは茨城だけの話なのか。今回は範囲を全国に広げた。
2026年7月、全国47都道府県の外壁塗装会社13,656社を、一社ずつ調べた。Googleの地図に登録された会社を都道府県ごとに全て拾い、自社サイトを持つ10,070社について、その中身を機械的に診断した。ちなみに残りの3,586社(約4社に1社)は、自社サイトすら持っていなかった。地図の情報だけで戦っている、ということだ。知りたかったのは、ひとつ。腕は確かなのに、なぜかお客さんに届いていない会社が、全国でどれくらいあるのか。
これは、塗装会社だけの話ではない
数字に入る前に、なぜこれが「業者の宿題」で終わらないのかを書いておきたい。外壁の塗り替えは、多くの人にとって一生に一、二度の、百万円単位の買い物だ。その業者を、私たちはいま、どうやって探しているだろうか。
スマートフォンで地図を開く。「◯◯市 外壁塗装」と検索する。そして最近は、ChatGPTのようなAIに「このあたりで評判のいい塗装屋は?」と尋ねる人も増えてきた。探し方は、この数年で確実に変わった。ところが、探される側の地元業者は、その変化に追いついていない。それも、一部の地域だけの話ではなかった。
結果として、何が起きるか。腕は確かで、近所の評判もいい——そんな会社ほど、新しい探し方の中で見つけられずに埋もれてしまう。これは、良い業者に出会えない消費者にとっての損であり、良い仕事をしながら埋もれていく地元の会社にとっての損でもある。今回の調査は、その「すれ違い」が全国でどれくらいの規模で起きているのかを、数字で確かめる試みだ。まず、数字から見ていこう。
A評価は、13,656社のうち43社だけだった
各社のサイトを100点満点で採点し、A〜Eの5段階に分けた(採点の中身は末尾に記す)。結果が、図表1である。
図表1全国 外壁塗装会社の評価分布(13,656社)
A:80点以上/B:60点台〜/C:40点台〜/D:20点台〜/E:20点未満。D・Eは、新しい検索への準備がほとんど、あるいは全く進んでいない層。
目を引くのは、A評価がわずか43社、全体の0.3%にすぎないという事実だろう。D・Eを合わせると、全体のおよそ7割(67.7%)にのぼる。1万社を超える規模で調べても、しっかり準備できている会社はごく一握りだった。
だが、本当に見てほしいのは分布の形ではない。この点数を分けている“正体”を、同じ市に所在する会社どうしで比べてみると、はっきりと見えてくる。
同じ市にいても、書いているエリアはこれだけ違った
ここからが、今回いちばん伝えたい発見だ。地理の条件をそろえるため、同じ市に所在する会社どうしで、サイトに書いている対応エリア(市)の数を比べた。人口も、立地も、商圏も同じはずの会社たちである。すると都市部でも地方でも共通して、対応エリアを一つも書かない会社から、数十市を書く会社まで開いていた。届く範囲の広さを決めているのは、距離でも人口でもなかった。
参考までに、サイトの中身を項目別に見たのが図表2だ。「どの地域の何屋か」といった事業者情報を、機械が読める形で載せている会社も、まだ少数派だった。
図表2事業者情報の整備率(サイトを持つ10,070社)
公開サイトのソースコードから有無を機械的に判定。掲載順位やAI回答への露出を保証するものではない。
実際に、AIに「◯◯市 外壁塗装」と聞いてみると、はっきりしていた。書いてある市にだけ、名前が出た。書いていない市では、出なかった。(この実地確認は茨城県内4市・114社を対象に行ったもので、他県はサイト上の記述の集計にもとづく。)
全国で、対応エリアを「自分の市ひとつ」しか書いていなかった会社の割合(対応エリアを確認できた7,497社が母数)。行ける市があっても、書いていなければ、そこでは探されない。
この差は、特定の誰かの怠慢ではない。全国の多くの会社が、まだ「行ける範囲をサイトに書く」という一手をとっていないだけだった。だからこそ、先に書いた会社ほど、静かに前へ出られる。
良い会社ほど、「書いていなかった」
いちばん“もったいない”と感じたのが、これだ。腕もいい、評判もいい、実際に隣の市まで施工に行っている。なのに、その隣の市をサイトに書いていない。すると、その市で業者を探している人にとっては、存在しないのと同じになってしまう。全国どこでも、同じことが起きていた。
口コミの評価そのものは、全国平均で★4.6と高かった。腕や評判はむしろ十分だ。足りないのは、「どこまで行けるか」を書いておく——ただ、それだけだった。
13,656社の全国平均スコア(100点満点)。サイトを持つ会社に限っても36.7点。全国として、準備はまだ始まったばかりだと言える。
数字は、誰かを責めるためのものではない。「知らなかっただけ」で選ばれ損ねているとしたら、それは直せる、というだけの話だ。腕はもう十分にある。あとは、行ける範囲がちゃんと書いてあるか——本レポートが問いたいのは、その一点である。
あなたの県は、どうだろうか ─ 47都道府県ランキング
「準備の遅れ」に、都道府県ごとの差はあるのか。各県のサイトを持つ会社の平均スコアを出して、低い順に並べたのが図表3だ。目を引くのは、その差の小ささである。最も低い高知県(31.6点)から最も高い神奈川県(41.7点)まで、その開きはわずか10点ほど。最も準備が進んでいる県ですら、平均はようやくC評価(40点台)に届く水準だった。
図表3都道府県別の平均スコア(各県のサイトを持つ会社/100点満点)
サイトを持つ会社の平均スコアを、低い順に並べた。オレンジは平均33点未満の県。数値は各県に所在する会社の平均であり、個別企業の評価ではない。
「都会は進んでいて、地方が遅れている」という単純な話ではなかった。大都市を抱える県も、地方の県も、そろって同じ水準に並んでいる。つまりこれは、どこか特定の地域の問題ではなく、全国共通の“業界の空白”だということだ。あなたの県が上位でも下位でも、やるべきことは変わらない。まだ誰も本気で手をつけていない領域が、目の前に広がっている。
数字は、責めるためのものではない
ここまで並べた数字は、地元の会社を批判するためのものではない。むしろ逆だ。腕はもう十分にある。評判も集まっている。足りないのは「知らなかっただけ」の一点で、それは、直せる。
今回の調査を実施した元請ラボは、結果について次のように述べている。「良い職人さんほど、宣伝が得意ではありません。でも、探し方が変わった今、“見つけてもらう準備”をしているかどうかで、次の一件が変わってしまう。それが全国どこでも同じだと分かった以上、まずは自分の現在地を知ってほしい——その一心で、この調査と同じ基準の診断を、誰でも無料で使えるようにしました」。地域で選ばれ続ける会社を一社でも増やすことが、この調査を続ける理由だという。
調査方法
- 調査対象
- Googleビジネスプロフィールに登録された、全国47都道府県の外壁塗装会社 13,656社(各県の主要市区を対象・ドメイン重複を除く)。うち独自の公開サイトを確認できた10,070社を、サイト診断の母数とした。
- 取得方法
- Googleの地図データから都道府県・市区ごとに全数取得。各社の公開サイトのHTMLを取得し、事業者情報の構造化・OGP・説明文・画像の代替テキスト等の有無を機械的に判定した。
- 対応エリアの計測
- 各社サイトの本文から、対応エリアとして記載された市区町村名を抽出し、その数を数えた。本文を取得でき、かつ所在市を書いている=地元業者として比較できたのは全国7,497社。本文中の「対応エリア」割合(%)は、いずれもこの7,497社を分母とする。JavaScriptでしか本文を表示しないサイト、所在市を書かない広域業者(全国対応のフランチャイズ等)は集計から除いている。
- AIでの実地確認
- 「◯◯市 外壁塗装」等でAIに実際に質問し各社の表示有無を確認したのは、茨城県内4市・114社を対象とした実測にもとづく。他県はサイト上の対応エリア記述の集計のみで、AIへの実地確認は行っていない。
- 採点
- サイト側の準備(事業者情報の構造化・説明文・画像の代替テキスト等)とGoogleの口コミ状況をあわせて、100点満点で機械採点した。元請ラボが公開している無料診断ツールと同じ考え方にもとづく(配点は随時見直している)。
- 実施時期
- 2026年7月。集計は本調査時点のもので、各社の状況は変動する場合がある。
本レポートは業界全体の傾向を統計としてまとめたものであり、個別企業のスコアや社名は公表していない。また、構造化データの有無は「検索エンジンやAIが内容を理解しやすくするための準備状況」を示すもので、掲載順位やAIの回答への露出を保証するものではない。地域の検索・AI回答には、Googleビジネスプロフィール(口コミ・評価)の状況が大きく影響する。都道府県別の集計は各県の主要市区を対象としており、市区の選定により数値は変動しうる。
あなたの会社は、いま何点だろうか。
この調査と同じ基準で、あなたの会社のサイトを無料で診断できます。URLを入れるだけ・登録不要・その場で結果が出ます。まずは、現在地を知ることから。
無料でサイトを診断する 調査について相談する